英文学・米文学を必須で勉強している娘が帰省しているので、二人で「静かなる情熱エミリ・ディキンスン」という映画を見に行きました。
詩人エミリー・ディキンソン(放題は「…スン」ですが、ずっと「…ソン」と覚えていたので、ここからはディケンソンと書きます)の人生の映画です。オマージュ。彼女が学生だったころから死までが描かれています。
南北戦争のころのアメリカ。北部の上流階級の生活。
エミリー・ディキンソンの人生については、あかされていない部分も多いそうで、この映画は、一つの説のようです。
映画の内容は、割愛しますが、ひとりの女性の人生として、興味深く見ました。
舞台はアメリカ北東部、マサチューセッツ州のアマーストですが、いわゆるアメリカ映画とは、雰囲気がまったく違いました。 それもそのはず、制作は、イギリスとベルギーの合作でした。 なるほど。
例えば、登場人物の病気の描写の部分があるのですが、それが、長い。え?そんなながく苦しむ場面をみせるんだ……。と思いました。
それから、映画の最後も、よくある「主人公はなくなりましたが、数年後、こんなに有名になったのです」的な表現もありませんでした。
もう一つ面白かったこと。映画の最中に、南北戦争後、ゲティスバーグでの出来事が描かれているのですが、その中で、エドワード・エヴァレットの演説が長すぎたこと、リンカーンの演説は短かったこと(声が小さくて何を言ったか覚えていない)が語られていました。
学校でゲティスバーグ演説のことを習うし、名演説だったというイメージがあったのです。調べてみると、有名になったのは、それを書き留めていた記者が記事にしたからだということでした。
詩人の映画ということもあり、詩的な抽象的な単語が多く使われていて、耳から聞こえてくる英語と字幕の翻訳を比べたりしていると時間が経ってしまいます。英語は、難しかったですね。
文学好きな方、歴史好きな方、テアトル系の映画が好きな方は楽しめるのではないかと思いました。
監督:テレンス・ディヴィス
主演:シンシア・ニクソン/ジェニファー・イール/キース・キャラダイン
2016年/イギリス・ベルギー
英語 カラー 125分
原題: A QUIET PASSION
字幕:佐藤恵子
字幕監修:武田雅子