米国大学で勉強することになった理由
それは突然やってきました。
「アメリカに移住することにする。」と父が宣言したのです。父がアメリカの会社へ転職したのです。
「お父さんは、これからドルで給料をもらうから、アメリカの大学に進学するように。」当時は円高で、ドルでもらった給料を円に換えるになんて、ばからしいと思ったようです。
ちょうど前日、模試判定で憧れの○○大学から、やっとAをもらったところだったのに。ずっと東京暮らしが夢だったのに。
降ってわいたような「アメリカの大学に行け命令」でした。
普通の高校生だった私は、もちろん留学の準備などしていません。とりあえず高校を卒業し、アメリカの州立大学付属英語学校に入学しました。 英語学校では、大学で生き残れるように英語力特訓をしてくれます。7つのレベルのクラスがあり、レベル7を終えると大学入学準備完了となります。その時点でTOEFLというテストで550点以上取っていなければなりません。
(550点は、私が入学した大学が指定した基準点です。大学により求められる点数は異なります。高校卒業前の私の点数は、480点でした。)
大学に入させてもらわないと話にならない。毎日辞書を片手に必死で頑張りました。文法はまあまあでしたが、作文やリスニングがまったくできず、毎日泣きそうでした。ドイツ語やスペイン語を母国語とするクラスメートの語彙の多さやリスニング力・会話力の高さには、到底かないませんでした。
それでも半年後、なんとかレベル7のクラスを終了し、大学に入学させてもらえることになりました。 心理学専攻。
大学に入って、英語は問題なかったのか?
実は、本当に大変だったのは、大学に入った後でした。
授業に出ます。
教授の講義をできる限りの集中力で聞きます。
なーーーんとなく、理解します。
ノートに書き取ります。
わたし、遅い!
英語を書くのが遅いんです。アルファベットを日本語のように書きつけていない。英語の勉強の時しか書いてないから。
えーっと、あの単語のつづりはどうだったかな? わからないから、今は適当に書こう。 あれー、間に合わないカタカナで書いてあとで調べよう。。。
こうしているうちに、授業は進みます。
私のノートは、理解不能な状態。
先生の話は、とぎれとぎれで聞いている状態。
家に帰って復習しても、わからないことだらけです。
英語学校に通っていたときは、「わからないよね。がんばってるね」という前提で接してくれた先生ですが、大学教授になると違います。英語はできるのが前提、なのです。
どうしたらいいのか、何をすれば授業でついていけるのか?
まず、聞き取って書き留める練習をしなければいけないのではないか?
リスニングアップが必要!私がした対策は?
『ラジオをかけっぱなしてメモを取り続ける法』です。
その時の気分で楽しそうなラジオをかけます。少しでも楽しい要素がないと「つらい」気分にやられてしまいます。
私がよく使っていたのは、FM音楽です。50年代、60年代のオールディーズを流し続けているラジオ局を選択。
歌詞のわかるところから、ノートに書きつけていきました。 もともとこの時代の音楽は好きだったので、楽しんで練習ができました。 ポップは早口ですし、ロックは聞き取りにくい。オールディーズが一番かきとりやすかったです。
数か月、足踏みしながらの練習をしていたのち、ある時、「あれ?」という気づきがありました。
ノート取りの技術がアップしている!
嬉しかったです。 練習の成果が出ました。
レベルを上げるのでしたら、ニュースの聞き取り書き取りが良いのかもしれません。
人それぞれ、その人にあった学習方法があると思います。
私の話を読んだ皆さんが、それぞれアレンジしてくださるといいのではないかな、と思います。今なら、さまざまな機器があるので、私が大学にいた時より、便利かもしれません。
ラジオについて、すこし追加させていただきます。
今は、ラジオが家にないという方もいらっしゃいますよね。そういう場合は、インターネットラジオが役立ちますよ。さまざまなジャンルを聞くことができます。
タブレットや携帯があれば、アプリを入れて聞くこともできますね。私は「radio.net」というアプリを使用しています。他にもいろいろあるようです。参考になさってくださいね。