秋も深まってきたある夜、ピンポーンとインターフォン。(画責:ひな介)
女の人たちが5人ぐらい門のところに立っています。
「こんばんは。 あおぞら中学の選挙管理委員(PTAの役員で次期の役員選出を役目とする保護者)のものです。」
ん? これは、いけない雰囲気か…
「ことりさんが、来年度のPTA本部役員にふさわしいのではないかということで、うかがいました。 『誰にお願いするか』という話し合いの中で一番最初に出てきたのがことりさんのお名前でした。」
へ? ……。
私は丁寧にお伝えしました。
・仕事をしているので時間が取れないこと。
・本部役員になるようなタイプではないこと。
・他に適任者がいると思う、こと。
「わかりました。 また、来ます。考えておいてくださいね」
1週間後、ピンポーン。ーーー断る私。
そのまた1週間後。ーーーできないと説明する私。
毎週来られても嫌なので、私はこう提案しました。
「もう一度考えて答えを出します。毎週来てもらってはわるいので、電話かメールで返事をさせてください。」
すると、
「いえいえ、電話などではなく、何度でもここにきて答えをいただきます。」との返事。
すごく、断りにくいんですけど。
(この間、別の人たちに何回もアタックして、NOという返事をもらっている選挙管理委員の人たち)
いろいろ考えました。
私の名前を推薦した人が誰かもわかりました。以前役員をしたことがあるママ友で私の仕事のことを知っていて、「ことりさんなら、できる!」と推薦したよ~とニッコリと言われました。
なんで、そんなことを……。(脱力)
このママ友。以前本部役員をして、忙しかったけど楽しかったようなんです。
悪気は全くなかったみたいでした。(ため息)
私も再考してみました。
息子のひな介も学校の先生にかなりお世話になっているし、役員の仕事はみんなで協力してするって言っているし。
なにより、毎週、ピンポーンされるのも嫌だ。
よし、やってみることにしようか。
この時、私には上に書いたきれいな理由の他に、もっと腹黒い理由もありました。
学校にいけば、先生に合う。先生に合えば息子の様子も聞けるし、先生に直々に「よろしくお願いします」を言えるし、気になるところを伝えればそのフィードバックをがあるに違いない。息子の成績も間接的に上がるかも。PTA役員をする役得もきっとあるに違いない。
こうして、私の1年間(前後の引継ぎ期間をいれると14か月)のPTA本部役員生活が始まりました。
どうだったと思いますか?(これは私の目からみた役員の1年です。読者さんの学校では全く違うかもしれませんので、「役員する/しない」の参考にはしないでくださいね。)
もうね、これは(特に私の役は)無償ボランティアの枠を超えてました。こんなに時間を取られて、仕事の休みの日を毎回PTA活動に取られて、つらかった。
一緒に役員をした役員仲間は?
これはね。ホントいい人たちでした。そこがネックになることもあると聞きますので、この点私は恵まれてました。雰囲気も良くて、子育ての相談とかもできて、いい出会いだったなと思っています。
それでは、PTAの役員の仕事はどうだったのか?
でも、PTAの本部役員の仕事は、、、多すぎるし、やる意味がわからんし、なんでもかんでも「子どものため」ってそれの一体どこらへんが子どものためなの?と思えちゃうし、疲れた。。。 カレンダーを見て、「3月まであと〇ヶ月」ってカウントダウンする日々でした。
そうそう、ことりさん、腹黒い理由もあったでしょ?
「先生方と学校で雑談することで、子どもの学校生活の充実と成績向上につなげる」
このことですか?
実際はね。
殆どできませんでした。 やろうと思ったらできたと思います。
先生たち、職員室にいますからね。そしてPTAの仕事って職員室抜きには語れませんから。
問題はね。私の性格でした。
基本的に、シャイなんです。
「あの~先生~! ひな介の母です。いつもお世話になってます。ひな介は最近数学の授業どうでしょうか? ちゃんとできていますでしょうか?」
なんてセリフ、私の口から出てこないんです。
せいぜい、うつむきがちに、会釈する程度で、、、。先生から、話しかけてくだされば、もちろん話をしましたけれど。
そんなんでは、息子の学校生活向上にはつながりませんでした。
(先生との面談が必要なときは、別の日に連絡して時間を作っていただきました。PTAのおかげで話せた、っていうことは残念ながら、あまりなかったです。)
私が職員室にいようがいまいが、違いはなかったということですね。(遠い目)
新学年が始まって、日本の殆どの学校で、新しい本部役員さんが選ばれ活動されていることでしょう。 みなさん、体を壊されませんように……。
不必要な業務が削除され、時間を有効に使うことができる活動になりますように……。