もうすぐ、夏休みが終わりますね。
短い間ですが、公立の小学校で英語支援のお手伝い先生をしていたことがあります。
日本の教員免許は持っていませんが、最近は一般からお手伝いの先生を使用することがあるようです。私は、英語を教えたことはなかったのですが、海外の幼稚園での仕事の経験と、障害児施設勤務の経験から採用となりました。
採用面接で、こう尋ねられました。
「ことりさん、このA市が、どういう町だか、ご存知ですか?」
答えに困っている私に、面接官は続けて言いました。
「このあたりの小学校には、『しんどい子』がたくさんおります。」
私は、引っ越してきたばかりで、意味がよく分かりませんでした。
面接官の意図していたのは、いわゆる「大変な子」(貧困や虐待)がたくさんいますよ、心してくださいね、ということだったようです。
実際に授業に入ってみると、突っ込みどころはたくさんありましたが、楽しく英語の先生をさせていただきました。私は子どもたちに点数をつけたりしない「英語のおばさん」という位置づけ。子ともたちは、「ことりセンセー!!」と優しく受け入れてくれたのでした。
(小学校の授業に「英語教育」を取り入れること自体には、私は反対です。このの経験を通してより強くそう思いました。が、それはまた別の機会に。)
授業をお手伝いしていて、次第に「しんどい子」たちが見えてきます。
「世界のどこに、行きたいですか?」
「イギリスです。」
「南極です。」
夢いっぱいに答える子どもたちの中に、浮かない顔をして「わからない。じゃあ、アメリカでいい。」という子。その子を、職員室で保健の先生が心配していました。
休み明けになると、体重が減ってる。痩せすぎ。家で食べてないようだ、と。
制服からは、きついファブリーズのにおいがしています。担任から「制服を洗ってあげてくださいね」と助言したら、お母さんが、洗濯(クリーニング)の代わりにファブリーズを。大量に。
朝、先生がそっとパンをあげていました。「ホントは、こういうのだめなんだけど。でも授業なんて頭にはいらないよね。おなかがペコペコなのにね。。。」
英語どころじゃないですね。
つらいのは、比べる相手がいることかもしれません。同じクラスに、長期休みにクルーズ船で海外旅行をする子がいます。世界の国の名前を胸を張り、いくつも発表してくれます。塾にいっているから、学校で習うことは全部復習の子もいます。
子どもの貧困は、6人に1人だそうです。まわりに見えないだけで、いるのです。
全国に「子ども食堂」(安価でたべられる子供だけでいける食堂)ができています。
塾に行けない子供たちの寺子屋のような場所もあります。
真剣に向き合っている大人たちを尊敬します。
私もできることを応援出来たら、と思っています。
もうすぐ、夏休みが終わり。
休み明けに、体重が減っている子の数が少なくなるのを願っています。