こんにちは。ことりです。
小学校での英語の教科化が始まるといわれています。
今の学校教育の状況のまま、小学生に英語の授業を課すことに、私は反対です。
大きく分けて2つの理由があります。
①まず母国語である日本語の話者として抽象的なことまで自由に表現できる力をつけるべき。英語での表現が少しできる小学生をつくっても意味がない。
②英語を教えることのできる教員がいない。
③中学に入る前に英語を嫌いになる子供が増える
今日は、このうちの二つ目、「英語を教えることのできる教員がいない」ということについて、私の経験を交えてお話ししたいと思います。
私は、数年前、「英語教育支援員」というものをしていました。
小学校で英語を教えることに賛成ではなかった私ですが、ひょんなことから採用試験をうけることになったのです。
面接でも、
「こんな面接の場所で申し上げることではありませんが、私は小学生が英語を勉強することに賛成ではありません。その代わりに国語を増やしたほうがいいと思っています。」
と言ってしまったので、まさか採用されるとは思ってもいませんでした。
教育委員会から複数の小学校に派遣され、4つの小学校の英語の授業のお手伝いをすることになりました。私が教えていた市は、英語特区になっており、ほかの地域より先に英語が授業に組み込まれていたのです。
現在、5・6年生には英語(国際コミュニケーション)の教科書が配布されます。
私の勤めていた市は、5・6年だけでなく1年生から英語の授業がありました。
(5・6年は1年に35時間。下の学年は、それより徐々に少ない授業時間になっていました。)
年度初めに先生たちに挨拶にいくと、先生たちの反応は二つに分かれました。
半分は、好意的に挨拶をしてくださいました。
あとの半分は、『なんで英語なんかやらなきゃならないんだ』という否定的な態度でした。
先生方は、大変です。
大学で小学校教諭にになるために勉強していたとき、自分が英語を教えれることになろうとは思っていなかった人たちがほとんどだからです。
担任の先生が英語の授業をしているときに、お手伝いするというのが表向きの仕事でしたが、支援員の私に殆ど丸投げの先生もいました。ネイティブの先生は、一人でたくさんの学校を担当しているので、数か月に一度授業にやってくるという感じでした。
授業は、簡単なあいさつや、食べ物・動物などの単語を覚えたりということで進んでいきます。楽しみながら学ばせるということで、毎回歌や、ゲームや工作などをしながら英語に親しんでいきます。
子どもたちはそれなりに楽しむんです。だって、英語の授業は歌やゲームや工作なのですから。
でも、嫌いな子は露骨にいやそうな顔をしていますし、もっと本格的に学びたい子は物足りないという表情です。
そして、先生たちも消極的な人が多いです。
「ぼく、英語にがてなんですよね。」
「私、英語教えられないです。」と何人もの先生に言われました。
ある先生は、
How are you? の答えを黒板に英語で書きました。
「今日はあまり調子が良くない」と書きたかったみたいです。
黒板には
I am but.と書いてありました。
倒れそうになりました。
その先生は、子どもの扱いはとても上手です。
国語の授業を見させてもらったのですが、とても良い授業だと感じました。
ただ、英語は教えちゃいけませんね。
私が働いていた校区では私のような英語支援員は廃止する方向で、最終的に担任が英語を教えるようにするのが目標でした。
小学校の担任の先生に「英語」を担当させるのは、酷だと思います。