ことりのかけら

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【未来のエジソン君・スピルバーグちゃんへ】親御さん、先生、教科書が読めない時、どうしますか?

勉強したいけど教科書が読めないからあきらめている?

先生、お父さん・お母さんのみでなく、子供の周りで気づいてくださった方に、この記事を書いています。

先日、小学高学年の子どものお母さんと話していて、こんな話になりました。

・「教科書を読むのに時間がかかるし、漢字が読めないから、大変。」

・支援学級の先生が、「学校で教科書の漢字一つ一つに振り仮名をふります。お母さんは心配しないでください。」と言ってくれているそうです。

・「先生が時間を使って振り仮名ふりしてくれるのは助かるけど、同じ時間をつかうなら他のことをお願いしたい気持ちになってしまって、、、。」

 

こういう子のために、「マルチメディアデイジー教科書」という教科書があります。

(以前、記事を書きました。その記事は最後にリンクしておきます。)

同級生が使っている同じ教科書を、デジタル化して見やすく読みやすくしたものです。

必要な児童生徒には、無料提供されています。

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PC、スマホ、タブレット等を使って、みんなと同じ教科書を読めます。

設定によって、全部の漢字に振り仮名をつける(総ルビ設定)こともできます。

 

文科省も、都道府県の教育委員会も知っていて、現場の先生に周知しているはずなのですが。。。

どうして、児童生徒と直接関わる先生たちにこの情報が行きわたっていないのでしょう。。。

文科省のページは、こちら ➡ 音声教材:文部科学省

実際に使っている様子は、こちらを見ていただけたらと思います。 

www.youtube.com

 

どうやったら、この教科書を手に入れることができるの? 診断書が必要?

この「マルチメディアデイジー教科書」は、「読むことに困難があります」と申し出れば申請できます。医師の診断書等は、必要ありません。

(診断書がいる、必要と聞くと躊躇するんですよね。病院で予約する、再検査をしなければならなくなるかも、時間も手間もお金もかかってしまうので。でも、この教科書の申請には診断書は必要ないんです。)

読みに困っている子どもなら、誰でも申請できます。

学校の先生へ。

「うちの子は大丈夫!」と親が子どもの現状を認めない場合もあります。

それでも大丈夫、学校の先生が申請して、学校で使用できます。

 

【マルチメディアデイジー教科書申請方法】

こちらのページから ➡ デイジー教科書 申請方法

 

勉強に少しつまづいているなと感じているときは、どうかその子の大変さを少しでも軽くできるようにしてあげてほしいと思います。 子どもによっては、「読み」だけに困難があって、読めさえすれば力を十分に発揮できる場合もあります。

他のことにも(コミュニケーションとか知的に遅れがあったり)困難がある場合でも、デイジー教科書を使うことによって、学習する助けになります。

どんな子が使っていますか?

読み書き障害、ディスレクシア、視覚障害、弱視、ADHD、自閉症スペクトラムなどの発達障害、聴覚情報処理障害、知的障害、四肢障害(ページがめくれない)などのお子さんには、一度試してみる価値があるのではないかな、と思います。 

合うあわないは、個人差があります。

親が必要を認めない時は? 

うちの子は障碍者じゃありません。必要ないです! 親がそういうときもあります。

学校で使用するために、学校で先生が申請できます。

一般の教室や支援教室で、学校のパソコンやタブレットを使用して、デイジー教科書を利用できます。

ことり家の場合は?

我が子は、小学3年のときに、この教科書を薦められました。 

「勝手読み」(自分で勝手に漢字のよみを決めて読み進む)をしていたので、どうしたらいいかと相談したところ、相談機関でこの「マルチメディアデイジー教科書」を紹介されました。 

学校では使用せず、家庭で予習復習に使っています。 

忘れん坊の子には、もう一つ利点があるんですよ。

「学校に教科書を忘れた!」

ということになっても、家にもう一つデジタル教科書がありますからね。 音読も、教科書の問題の宿題もできます。

 

今、学齢期の子どもとはあまり関わりのない皆さん。

知り合いにこの教科書が必要かな、、、と思う子がいたら、紹介してあげてくださいね。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。